走れ!なみへい!

走って食べて読書して。東京在住アラサー女子の気ままなdiary

オリンピックムード満載の室町エリア

自粛期間が終わりやっと自由の身に!と思っていましたが、また東京は緊急事態宣言が発令されてしまいましたね。お酒は8月中旬まで自粛、、、。悲しい。

ただ、ランは思いっきりできるようになりました!ちょうど昨日梅雨明け宣言もありましたね。真っ青な空をみて、これから思いっきり走れると思うと幸せでいっぱいな気持ちになります。

知らない間に室町エリアはオリンピックモード満載でした笑。

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なんと日本橋に五輪が出現!

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コレドも五輪色におめかし。

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室町エリアの地下にも様々な装飾が。

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コレドの裏側に巨大なランナーが出現

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三井ホールには巨大なメダル!

本当だったら今頃はこの辺りは観光客や選手で溢れているのかなぁと思うと何だかなぁと思いますが、このようなカオティックな状況の中で、オリンピックを成功させるために休みなく働いてくださっている方がたくさんいると思うと、頭が下がります。どうか、無事に開催できますように。

本当に東京でオリンピックがはじまるのですね。複雑な思いがありますが、個人的にはワクワクしてきました。せっかくなら気持ちを切り替えて、この日のためにコロナにも負けずに練習を頑張ってきた選手を思いっきり応援したいと思います。

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オリンピックまであと6日!@ 東京駅

人気必須!ビーガンカフェ『ovgo B.A.K.E.R』

6月上旬に自宅から徒歩5分の場所にビーガンカフェが誕生しました!お店の名前はovgo B.A.K.E.R。アメリカンな雰囲気のとってもかわいいカフェです。

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アメリカにいるようなデザインオブゴベーカー

ビーガンは海外では広がっていますが、日本ではまだあまりなじみがないかもしれないですね。ビーガンは完全菜食主義者のことで、動物性たんぱく質も口にしません。肉はもちろんですが、たとえば、牛乳や卵、バターもNG。

SDGsの広がりに伴い、世界ではビーガンの人が増えている気がします。これから日本でも少しずつ広がると思うので、このカフェは流行先取り!という感じでしょうか。センスが良いですよね。そして私の家の近くにオープンしてくれたこともセンス良し笑!11-18時で毎日営業しています。もう少し早くオープンしてくれたら朝ごはんにも食べられてうれしいのですが。例えば7時!

卵も牛乳もバターもNGと聞くと、クッキーやマフィンは絶対難しいだろうと思いますが、ovgoB.A.K.E.Rのクッキー、マフィン、スコーンはすべてとっても美味しいです!全体的に甘さは控えめ。クッキーは少しパサパサしているかなと思いますがが、スコーンやマフィンはしっとりしていて、通常に販売されているものと変わらないです。

いろいろ食べた中で私のお勧めはスコーンですかね。あまり甘すぎるものが好きではないので、ガーリック・ジンジャースコーンというのがあるのですが、ニンニクとしょうがとペッパーががっつり効いていてとても美味しかったです。

↓の写真はブルーベリーマフィンドライトマトのスコーン。ブルーベリーマフィンの中にはクリームチーズのようなものが入っています。こちらも美味しい。(でも私が撮ると映えないですね笑)

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新商品もどんどん開発されています。最近流行っているのはアラビアータマフィン。

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instagramのストーリーから拝借。最近推しのアラビアータマフィン

バナナブレッドやチョコチップクッキーもとても人気。バナナブレッドはすぐ売り切れてしまうようですね。

小伝馬町エリアは最近おしゃれなお店が次々にオープンしています。若手のオーナーが頑張っている小さなお店、いいですよね。私もできる限り応援していきたいと思います。

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『バグダッド・カフェ』by パーシー・アドロン: ピュアでまっすぐな心は波及する

濃厚接触者の自宅での自主隔離は、陽性者と接触した日の翌日から14日間。長い、、、でもようやく終わりが見えてきました。あと数日で元の生活に戻れます。

ただ、東京はまた来週から緊急事態宣言が発令されるのですね、、、しかも1か月以上。ゆっくりお酒を飲みながら美味しい食事ができることを楽しみにしていましたが、それも先延ばしです。

先日仕事で上海在住の方と面接をしましたが、上海はもう1年以上普通に生活ができているようです。在宅勤務も1年以上していないと。アメリカやヨーロッパも人々の生活に普段の日常がもどりつつあるようです。日本に住む我々はいつになったら通常の生活ができるようになるのでしょうね。秋口くらいまでの辛抱でしょうか。

さて、本日のレビューはこちら。『バグダッド・カフェ』。1987年に公開された30年以上前の作品です。

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私はこの映画とても好きです!約1時間半のシンプルな映画。何度でも見たい、心が洗われる映画です。

私は今回初めて見ましたが、この映画はアカデミー賞受賞作品で、世界中にたくさんのファンをもつ、有名な作品のようです。バグダッドカフェは現在も実存しているようで、このカフェを訪れるツアーもあるようです。

この物語の主人公はジャスミン。丸々太ったドイツ人の女性です。彼女はアメリカを旅行中に旦那さんと口論になり、途中で車を降りてしまいます。太陽がギラギラ照り付ける一本道を彼女はスーツを着て、ヒールをはいて、スーツケースを引いて歩き続けます。そして、ボロボロのホテル兼カフェ、バグダッドカフェに到着します。

バグダッドカフェのオーナーは黒人女性のブレンダ。ジャスミンとは対照的にガリガリに瘦せていて神経質。見るもの、聞くことがすべてが不満。いつもガミガミ怒鳴っています。

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ジャスミン(左)とブレンダ(右)の出会いの写真。この出会いが後に大きな奇跡を生み出します。出典:CINEMORE

ほとんど誰も寄り付かないようなさびれたカフェ。ジャスミンはこちらに滞在しながら、カフェを少しずつ変えていきます。そして彼女のピュアでまっすぐな心は、ブレンダをはじめ、周りの人々にも波及していくのです。

最後のシーンは圧巻。バグダッドカフェはラスベガスの近くの砂漠のようなところにありますが、ラスベガスにもひけをとらないショーをするカフェと評判になり、たくさんの人々が集まる人気店になってしまいます。そしてブレンダ、歌がうますぎる!!!

この映画に出てくる人たちは、皆心に苦悩や闇を抱えています。それがジャスミンと触れ合う中で少しずつ取り除かれていく。ジャスミンは口が達者なわけでも絶世の美女でもないのですが、とにかくピュアでまっすぐ。目の前の人に良くなってほしい、その思いでいっぱいです。そんな彼女のまっすぐな気持ちは周りの人々を変えていく力をもっているのですよね。

テーマソングの「コーリング・ユー」も素晴らしい。いつまでも頭から離れない名曲です。

ピュアでまっすぐでいることの大切さ、人生は何度でもやり直せるんだということ、大切なことを教えてくれるいつでも何度でも見たい作品です。

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大将は元大手外資系ホテル料理長:鮨家一

先月、旦那さんの昇給祝いで神楽坂の『鮨家一』に行ってきました。『新時代の江戸前鮨がわかる本 訪れるべき本当の名店』by 早川 光: 鮨にもブームがあるということ - 走れ!なみへい!に紹介されていたお店のひとつです。

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神楽坂を上りきる少し手前あたりにお店があります。周りはフランス料理やパティスリー、居酒屋などのお店がひしめいています。大好きなエリア。

鮨屋一は、六本木の高級ホテル グランドハイアット東京の料理長を10年以上勤められた大将が、3年前に独立されたお店。グランドハイアット時代には国内外の有名人のお相手もたくさんされてきたと思います。さすが一流ホテル出身、と思うようなおもてなし・サービスを感じられるお店でした。

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最近は赤酢のお鮨をよく食べていましたが、鮨屋一のシャリは赤酢は控えめ。色は白いです。また、シャリが小ぶりで嬉しい。これくらいのサイズであればたくさんの種類が食べられますね^^

クセの強い赤酢の鮨に慣れてしまっていると、少し物足りない印象をどうしてもうけてしまいますが、イカや小肌などはこちらのシンプルなシャリの方が合うかなという印象です。真っ白なシャリの上に細かく刻んだイカは初めて見ました。キラキラと光る宝石のようで美しかった。これは外国人などは喜びそうですね!

全体的に価格がお手頃なのも嬉しい。1万8千円でおつまみ5-6品と握り14貫も出てきます。

やはり私はクセのあるスッパイ赤酢の江戸前鮨の方が好きだなぁと感じましたが、これは本当に好みによるかなと思います。コロナ禍にもかかわらず、お店は満席。大将ともゆっくりお話しできて、嬉しかったです。穏やかで優しい大将。赤酢ブーム、鮨バブルにもぶれず、ご自身の正しいと思う鮨の在り方を貫いている姿がカッコイイ!と思いました。ごちそうさまでした!

『クララとお日さま』by カズオ イシグロ: 一途で愛おしいAIロボットと、何だか冷たい人間達

以前から楽しみにしていた、カズオ イシグロの最新刊『クララとお日さま』を読了!カズオ イシグロは8本の長編小説を書いていますが、これは私が読んだ4冊目のカズオ イシグロ作品です。

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これまで読んだものの中ではストーリーもシンプルで、読みやすい方だったかな。でもやはりカズオ イシグロ独特の「不気味な世界観」が今回の作品にも渦巻いました。全体を通して、我々人間の身勝手さについて深く考えさせられる作品でした。

今回は病弱な少女ジェシーと、人間にそっくりなAIロボット クララが主人公です。ジェシーは店頭で彼女に一目ぼれをし、お母さんの承諾を経てクララを購入。彼女の家で暮らすようになります。

クララはジェシーのために一途に働きます。彼女の話し相手になることはもちろん、彼女の機嫌が悪い時には、面白いことを言って笑わせたり、逆に空気を読んでそっとしておいたり。ジェシーの要望を叶えるためには一人で外出もします。クララにとってはジェシーがすべて。100%ジェシーを信じ、ジェシーが何をしたら喜んでくれるか、ただそれだけを一途に考えています。

クララは太陽光をエネルギーに動くロボットであり、太陽を神様のように信仰しています。ジェシーが病気の時には太陽にどこまでも深く祈りを捧げ、太陽から頂いたあるお告げをもとに、クララを救うためのミッションを実行します。それは、自身を犠牲にするリスクのあるミッションですが、クララの責任感は強く、クララのジェシーに対する強い気持ちは周りの人間をも動かしていきます。

そんな一途なクララを横目に、人間の考えることは残酷です。クララのお母さんは、病弱のジェシーを横目に、彼女の死後のことをすでに考えています。ジェシーの死後は、ジェシーとそっくりのロボットの製造を内緒で企画しています。そして、ジェシーが亡くなったら、クララに彼女の代替になってほしいとお願いをするのです。(いくら挙動や話し方をマネできたところで、情緒や感情面で、クララが完全にジェシーの代替になることは不可なはず。。。ただ、お母さんやロボット製造の教授は人間とロボットは100%代替可能、と信じています。)

クララのミッションの成功もあり、最終的にジェシーは大学生にまで成長します。あんなに仲良しだったジェシーとクララですが、ジェシーが大人になるにつれて、話す機会は減り、最終的にクララはジェシーの部屋ではなく、物置きで生活するようになります。この物語の最後では、クララはごみ置き場にいます。それでも、クララは自分の人生は幸せだったと言い切ります。

私はこの本を読んで、ロボットの一途さと人間の冷酷さが対象的に感じられ、本の途中からどちらがロボットでどちらが人間かわからなくなるような感覚を持ちました。

また、人間の中でも「向上措置」を受けている人間はさらに冷酷だと感じました。(お金がある人間は向上措置というものを受けて、優秀な大学に進み、優良企業に勤めることができる。ジェシーは向上措置を受けた人間であるが、その副作用で、病気になってしまっている)向上措置を受けられなかったジェシーのボーイフレンド リックやジェシーのお父さんは、もう少し人間らしさを持ち合わせている気がします。

ロボットには人格があり、心があります。そんなロボットと我々人間はどう向き合っていくのか。不要になったら捨てればよいのか、、、また、お母さんが企画していた「人間とロボットとの置き換え(死んだ人間と100%そっくりのAIロボットをつくること)」は可能なのか。そんなことを考えながら読み終えた一冊でした。

向上措置を受ける、という話や、子供は学校に行かずに皆タブレット端末で勉強していることなど、今の世の中から少し先に進んだ未来の姿が描かれている点も興味深かったです。

この物語のような世界が実現してしまったら、全体的に冷たい世界になりそうです。人間も人間らしい心を失ってしまう。カズオ イシグロはロボットと共存していかざるおえない我々に警鐘を鳴らしてくれているようです。

キャリアコンサルタント資格を取得しました

少し前ですが、国家資格であるキャリアコンサルタントを無事取得しました。今年3月に試験受け、無事合格。その後手続きを経て、登録証が家に届きました。

じゃーん!こんな感じです。

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現在私は外資系企業の人事部で採用担当をしていますが、昨年9月ころから年末にかけて、おそらく仕事が要因で、体調不良と恐ろしいほどの肌荒れ(まだニキビ跡の治療中…)になってしまいました。

ずっと原因がわからなかったのですが、年末の母との旅行で、仕事の内容がキャパオーバーだったのが原因の可能性が高く、でも、このまま頑張りたいのであれば、それを克服するには学ぶしかない。という気づきがあり、まずは勉強をしてみよう、ということで取り組んだのが今回の試験です。(詳細はこちらの記事に書いています:キャリコンフェス2021 - 走れ!なみへい!)

試験に申し込んだのが2021年1月上旬。テストは2021年3月上旬。資格取得のためのスクールもあるようですが、私は絶対に独学で獲ると決めていました。お金がもったいないし、宅建も独学で取得できたので、今回の資格も市販の教材で合格できると思っていました。買った教材はこちら。あとは、メルカリで過去問を買いました。

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今回の資格取得のために大活躍してくれた私のバディーたち。

勉強すればするほど、キャリアコンサルタントはこれからの世の中に必要な仕事であるということが良くわかりました。

LIFE SHIFTでも書いてありますが、これからは人生100年時代。我々は自身のポートフォリオを構築していかなければいけない時代を生きています。1つの会社で定年まで働く時代は終わりました。たとえその会社で定年まで働いたとしても、そのあと40年、生きていかなければなりません。どのような専門性を身に着けて、どのようなキャリアを築いていくか、そもそも「どのように生きていきたいのか」、その答えは自分自身の中にしかありません。我々は自らが主体的に自身の人生をデザインしていく時代を生きているのです。

そのためには、キャリアチェンジをすることや、学校に通いなおすこと、副業をしたり、子育てや介護をしていた方が復職をすることもあるでしょう。キャリアカウンセラーは、そんなキャリアの分岐点に立つ人々の話を丁寧にヒアリングし、人生を楽しく、豊かに生活していくための指導や助言ができる仕事です。

私は自分の仕事のモチベーションはどこにあるのかと考えるとき「頑張りたい人の夢を叶えてあげたい」ということが頭に浮かびます。幼少期から「頑張る人が損をしないこと」に強くこだわっており、その部分が自身の大切な価値観になっているのだと思います。

私は今の仕事で採用担当として、モチベーションをもって仕事ができていると思いますが、キャリアコンサルタントの仕事もできるようになると、私のモチベーションは爆上がりするのではと思います。

これから人生を頑張りたいと思っている方の背中をそっと押してあげられるような、そんなキャリアコンサルをできるようになりたい、というのが今の私の漠然とした気持ちです。

今の仕事をつづけながら、キャリアコンサルタントとしてどのように活動していけるのか、今模索中です。会社の自分ともう一人のキャリアコンサルタントの自分、両方の自分を高めながら、自身もポートフォリオを構築していかなければ!と思っています。

『ノマドランド』by クロエ・ジャオ: 誇りをもって、シンプルに生きるということ

まさかの濃厚接触者になってしまった先週木曜日。自身は翌日PCRテストを受けて陰性ということがわかったものの、2週間は潜伏期間のため外出禁止(涙)ということで、しばらくランはお休みです。

ここ最近は仕事が忙しくて帰宅も遅く、大阪出張も控えており、土日も予定がぎっしりという状況でした。私が外出できなくなりたくさんの方に迷惑をかけてしまいましたが、あまりにも忙しい日々に、神様が与えてくれた休養なのかなと勝手にプラスにとらえています。家でも仕事はできてしまうので平日は忙しいですが、休みの日は家で映画と読書三昧です^^

本日はこちらの映画をレビュー。話題作の『ノマドランド』

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非常に好きな映画。とにかくアメリカの大自然が美しい。太陽や雪、空、星、火など、とにかくすべての景色が美しく、我々は美しい地球の上に住ませていただいているんだよなぁということを再認識させられます。3年前にセドナに行きましたが、そこも本当に美しかった。セドナ大自然を思い出しました。

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2018年に訪れたアメリカのセドナ。美しすぎる大自然が忘れられない。

映画の舞台はアメリカ。車で各地を転々としながら生活するノマド(漂流者という意味)、ファーンが主人公です。もともとは旦那様と共に家を持ち、教員として中流階級の生活をしていましたが、リーマンショックで街の経済の中心となっていた工場が閉鎖。人々は仕事を失い、街はゴーストタウンとなり、さらにファーンは旦那様を病気で亡くしてしまいます。

家も街も仕事も家族も失い、絶望の淵に立たされたファーン。そんな彼女が選んだ生き方がノマドでした。アマゾンの工場などで短期労働をしたり、ファストフード店で掃除の仕事をしたりしながら、車で寝泊まりする生活。ただ、彼女は完全に孤独ではありません。

各地にはファーンと同じように車で寝泊まりして生活するノマドが多くおり、コミュニティがあります。共に食事をしたり、キャンプファイヤーをしたり、物々交換をしたり。ファーンは彼らからノマドとして生き抜くための知恵もたくさん教えてもらいます。

世間から見ると、彼らは経済困窮者です。仕事も肉体労働しかなく、その日をしのぐので精一杯。貯金もありません。ただ、この映画で特徴的なのは、彼らはノマドという生活に誇りを持って生きているということ。

例えば、ファーンは友人や兄弟に「家に一緒に住もう」という提案を受けるのですが、結局はノマドの生活に戻ってしまうのですね。お金が無くなって妹の家にお世話になるシーンがありますが、投資用不動産の話で盛り上がる親戚をかなり冷めた目で見るファーン。そしてその反動かのように、翌日に崖に行き、強風の中、両手を広げて大自然を感じるファーンのシーンは印象的でした。毎日シンプルに車一台で生活するファーンにとって、投資用不動産などまったく興味はないのですよね。彼らは余計なものは持たずに、地球を感じながら、1日1日を精一杯いきている自分たちの生き方に誇りをもっているのです。

ノマドのほとんどは高齢で、健康面からも体力面からも、この生活を続けていくことは大変だと思いますが、シンプルで潔いノマドの生活を垣間見て、人間本来こうあるべきなのではないかと思うような映画でした。誇りをもって潔くシンプルに生きる。そんなことを改めて教えてくれたとても素敵な映画でした。

ちなみに、映画で出演するノマドは、主人公ともう1名の2名以外はすべて本物のノマドというのも驚きです。全く違和感のない見事な演技力。ノマドにリスペクトを持って、彼らの深い美しい世界を描いたクロエ・ジャオ監督に拍手です。

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