知床の大自然
今回の旅の目玉のひとつ、知床五胡トレッキングに参加してきました。
知床半島は、天然記念物や絶滅危惧種を含む多種多様な動物・植物・魚が生息し、それらの自然が人間の手が付けられない状態で残る、世界でも有数のエリアです。その豊かな生態系を守るべく、2005年に世界遺産に登録。知床半島の60%が特別保護区として指定されています。
知床は現在(5月上旬-7月下旬)はヒグマの活動期。知床トレッキングをするためには、ヒグマ対策の訓練を受けたガイドの同行が必須となります。知床の5つの湖を見て回る、約3km、計2時間弱のツアーです。
集合は朝8:05。ホテルから車を出そうとした瞬間、鹿の親子に出会いましたよ^^
霧が深くて「何も見えないんじゃないか、、?」という心配をしながら、ツアースタート。まず、ガイドさんから、ヒグマに関するレクチャーを受けます。ビデオも見せられますが、これが結構恐ろしい。ヒグマって時速50kmで走れるそうです。人間の約5倍の速さ。木登りも泳ぎも得意。怒らせたら人間は勝ち目はないです。ヒグマが見れるかな?とワクワクしてトレッキングに参加しましたが、ヒグマは会ってはいけないもののようです。現に、ヒグマが1匹でも発見されてしまうと、人々は、そっとその場を立ち去るほかなく、その後2時間はツアーは中止になります。
「ヒグマの住み家にお邪魔させていただく」という敬意を表してトレッキングをしましょう」というガイドさんがおっしゃっていましたが、本当にその通りですよね。知床の主役は動物。その生態系の最上位に位置するのがヒグマなのです。
ガイドさんはツアーの最中、ひんぱんに手をたたいて「ホイ!ホイ!」と大きな声を出します。それでヒグマに我々が近づいていることを知らせます。ヒグマに会わないためには、事前に我々が近づいていることを知らせることが大切。一番恐ろしいのは、急に人間が目の前に表れてヒグマをびっくりさせてしまうこと。
このあとすぐ近くに鹿の親子が出現しました。夢中になって見ていたら、二湖の写真撮るのを忘れた、、、熊に遭遇することはあっても、鹿に遭遇することは珍しいそう。池の水を飲みに来ていました。かわいかった^^
ゴール!無事に知床トレッキング制覇しました。この木道からの眺めは絶景!
雄大な自然に感動です。そして、信じられないくらい暑い
この木道、熊が近づくと電気が流れるようになっており、ガイドさんがいなくても歩けるようになっています。製作費はなんと7億円。特別保護区に指定されると、重機の搬入がNGとなり、すべて人が手で穴を掘る必要があるそうです。これをすべて手作りしたとは、、、大変だったと思います。この木道制作に携わった方々に感謝。
そして、なんと、ツアーの最後にビッグサプライズが。私たちが木道を歩いている間にヒグマが顔を見せてくれました!遠くに一匹。感動しました!!
今回の知床五胡トレッキングに参加し、ガイドさんの話をきいて、知床の生態系のすばらしさを実感しました。ヒグマが食べたサクランボの種が糞になってまたさくらんぼの木を成長させること、鹿が笹の葉やシラカバの木の皮を食べることで、笹や木の大量発生を防いでいること。すべてが絶妙なバランスで成り立ち、この生態系を維持しているのです。人間は立ち入ることのできない神聖な領域です。
さて、ツアーが無事に終了し、知床の中心地に戻ってきました。午後は知床の街を8kmラン。山と海と大きな岩がコラボする、霧がかったなんとも神秘的な街です。
初めての知床。とても満喫できました。サファリパークのようにたくさんの動物を見られるのかと思っていましたが、そういうものではないようです。彼らの生態系を守るために、我々人間は可能な限り野生動物と接触すべきでなく、野生の鹿やキツネ、熊を少し見られただけでも幸せですね。
夜は露天風呂。ウトロ温泉は、茶色くて塩気のあるやわらかい温泉でした。日が暮れないうちから温泉に浸かって、そのあとお酒を飲む幸せ。これぞ休暇!ですね。